生体骨の評価・疾病メカニズムの解明 (人体も組織制御された構造材料) |
骨や皮膚などの生体組織は,人の様々な生体機能を発現する「制御されたミクロ構造を持つ」構造材料とみなすことができる.即ち,生体組織のミクロ構造をモデル化できれば,生体機能を力学的に評価することができる.たとえば,人の腰骨に注目してみる.腰骨は,L1~L5と呼ばれる5つの腰椎とその間の椎間軟骨で結合され,個々の腰椎は表面の硬質な皮質骨と内部の海綿骨で構成されている(図1).そのため,人体の骨にかかる力や骨の内部に発生する内力(応力)は複雑で,骨折などの疾患の原因をレントゲン写真だけから解明することは容易ではない.そこで,病院などで撮影したX線CTなどの断層写真から骨の3次元形態とミクロ構造を抽出して3次元モデル化(図2)し,種々の力学境界条件で骨に発生する力を解析する技術を開発している(図3). |
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(図1)生体組織は人体の構造材料 |
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(図2))断層画像から構築した3次元モデル |
(図3)逆洗時に発生する応力場や破壊挙動が予測できる |